2011年10月3日月曜日

⑦東北ボランティア記錄・繊細なボランティア活動

なかなか、ブログの更新が進まなくなって恥ずかしいが、東北ボランティア2日目の夜について記す。


写真洗浄プロジェクトの作業を終え、本日の帰宅場所である石巻市内のベースへ戻る。
黄色のアイコンがベース

この日の夜は、お世話になっている石巻ボランティア支援ベース絆と他のボランティアグループとの情報交換や打合せを兼ねた親睦会が市内の居酒屋で開催された。
実は、この時、台風15号が東北を直撃中で、そとは激しい雨と風で大荒れ。
地震の影響で、地盤沈下した市内は、少量の降雨でもいたるところで、冠水してしまう。
また、市内を流れる旧北上川も増水し、避難勧告が発令された。

そんな中での親睦会なので、市内の人ではまばら。
居酒屋では他のグループとの情報交換が活発に行われた。


私は、吉村さんと阪神淡路大震災からの付き合いという方とお話しさせていただいた。
この方が進めているプロジェクトのひとつが、仮設住宅での足湯プロジェクト。
ここにきて、ようやく供給ペースが上がり、至るところで、プレハブ作りの仮設住宅を目にする。
しかしながら、阪神淡路大震災のときのように、様々な問題や課題が浮上しているそうだ。

例えば、防音の問題。
プレハブという構造的な問題に加え、設置スペースが狭く「音」が問題になっている。
生活形態がそれぞれの家庭で異なることや子どもの声、あるいは性生活といったことまで、様々な問題があるという。
日常的なことであり、近隣に気を遣い、ひたすら我慢し、結果、大きなストレスを抱えることになる。

他にも、仮設住宅入居者と近隣住民との軋轢。
以前、仮設住宅入居者間でのトラブルが原因での殺人事件があり、以降、「仮設入居者=怖い」というような偏見が生まれつつある地域もあるという。
石巻市内の仮設住宅。空き室が目立つ感あり。

やはり、仮設住宅ということで、隣近所に配慮した生活を強いられる心理的に大きな負担がかかっている。

そこで、足湯プロジェクトでは、足湯を通じて仮設住宅入居者間での交流・いこいの場をデザインすることを目的とした事業を展開している。
とはいえ、真の目的は別にある。
それは、足湯を通じて、被災者のニーズを調査し、ボラティア活動に反映させることである。

足湯が、ニーズ把握どのような関係があるのか、当初は理解できなかったが、お話しを伺ううちに合点がいった。

足湯は、リラックスさせる効果があるとともに、両腕マッサージなどのボディケアも行い、利用者との心理的障壁を取り除く取り組みを行っている。
このときのマッサージ師は、それぞれ異性が担当し、リラックス効果を引き出す努力をしている。

足湯を通して被災者と対話を繰り返し、信頼を得て、リラックスした中で、普段、抱えていながら周りを気にするなどで顕在化しない、入居者のニーズを聞き取っていくとのこと。

これには、驚かされた。
きめ細かなニーズ把握のために、ここまでのことをするのかと。

私たち行政職員も住民ニーズに応えようと、
アンケートなどや意見箱など、いろいろと設置したが、
自分たちから、ニーズを「取りに」いくということはなかった。


この話を聞いた時点で、これは行政にはなかなか難しい事案だと感じた。
行政とは、ボランティアとは。地域とは。
地域社会をとりまく、様々なことを再考させられる。

■お会いした方々が活動されているグループHP
吉村さん(ヒューマンシールド神戸)
とーるさん(四万十塾)
タクミさん(はからめ)

– 日本一心 –









0 件のコメント: