2010/6/25の石巻市門脇地区 |
2011/3/19の石巻市門脇地区 |
三日目。
昨夜、飲み過ぎだったか、やや頭が痛い。
ベースは朝七時からのミーティングで一日が始まる。
ここ、石巻ボランティア支援ベース絆では、いくつかのプロジェクトが同時進行しており、各プロジェクトの進捗状況と当日の予定が発表される。
ブラックボードに、それらが手際よくまとめられ、誰が見てもわかるようになっている。
ここでは、複数の団体が集まり、それぞれのプロジェクトを展開しながら相互に支えあって活動している。
一応、リーダー的な方がおられるようだが(吉村さんもそのお一人)、依存するわけでもなく、それぞれのミッションに取り組んでいるように感じた。
このミーティングもそうなのだが、なんと表現するか、「ビシッ」としていないというか。。。
長期にわたるし、ほぼ毎日誰かが抜けて、新しい人が参加する、というような状況なので、案外にゆるっとした感じを受ける。
それは、きっと否定的な意味ではなく、それぞれが自分のミッションをしっかり持ち、それぞれの意志で行動できる、あるいはするんだ、という気持ちをもっている人が集まっているのかもしれない。
指示待ち人間には、辛いところかもしれない、などと思う。
ただ、やっていることは、とてつもなくすごいことだし、長期間継続しているのには驚かされる。
それと、新しく参加する人。
それぞれが挨拶する。
吉村さんに「長野県信濃町の役場の川口さん」と、丁寧に紹介いただいた。
こういうときに自分のアイデンティティとして「行政職員」という肩書きに、「ほっと」してしまう。
それで、すごくダサいって感じてしまう自分もでてくる。
まだまだ、人間として修行が足りない、精進しないと・・・。
閑話休題。
ちなみに、ここでの生活のルール的なものは、消灯時間と朝のミーティングぐらいだろうか。
運営資金は、グッズ販売やカンパなどを柱にまかなっているようだ。
食事も個々で対応する。
一応、食料もあるのだが、一堂に会して食事、というものではない。
生活も自己責任だ。
■被災地、石巻へ
ミーティング後、吉村さんが石巻市内の被災地を案内してくれた。
台風15号の影響で、市内は至ることろで冠水している。
そもそも、3月11日に起きた大地震の影響で50〜80センチ、地盤が沈下している。
海岸部ということもあり、このような状況になっているようだ。
市街地が被災している様子をじっくりと見るのは初めて。
早朝ということもあり、がれき撤去の重機などもまだ動いておらず、静寂に包まれている。
門脇小学校の横で車を停車させる吉村さん。
校舎の側面に黒く焼き焦げたような跡が見える。
津波の襲来で、流された車のガソリン等の油が引火して、襲いかかってきたのだという。
校舎の屋上部分まで、黒い焦げ跡をみることができ、押し寄せた津波の規模をうかがい知ることができるが、感覚的には「本当なのか」という印象を受ける。
旧北上川の対岸に積み上げられた瓦礫の山 |
しかし、この高台にある保育園の園児や職員が送迎バスで移動中に巻き込まれた。
地震が発生し、園児たちを保護者のもとへ帰すため、園の避難計画のとおり、二台の送迎バスが高台を下った。
しかし、すでに沿岸部に津波が襲来しており、一台のバスの運転手はこれに気づき高台へ引き返すが、もう一方は気づかずに進んでしまった。
このバスの運転手が気づいたときには、もう引き返すことができず、津波に襲われた。
この時、すでに油に引火した津波となっており、園バスは焼き焦げた状態で見つかったそうである。
中には、職員に守るように抱きかかえられた子どもの姿があったという。
車を運転する吉村さんの説明を聞きながら、石巻市の被災地をまわる。
日中は、重機が動き、作業者が行き交っているが、早朝の被災地はとにかく静かだった。
今日は、車をお借りして、沿岸部の被災地を訪れる予定。
日本一心
家屋の危険度を示す調査結果のマーキング |
無数の墓石が倒壊している。後ろは門脇小学校 |
被災した市立市民病院 |
瓦礫の撤去が進み更地が広がる |
打ち上げられた漁船 |
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