2019年9月27日金曜日

おもてなしって、なんなのよ!?

\\外国の方から見た野尻湖の姿とは//
〜外国人おもてなし講座のご案内〜

野尻湖ナウマンゾウ博物館ネタの連投でございます。
野尻湖周辺活性化事業実行委員会主催による「外国人おもてなし講座〜外国の方から見た野尻湖の姿とは〜」が開催され、おもしろそうなので、参加してきました。(^o^)

夜7時からの開催。入り口に掲げられた「運ばれてきた黒曜石展」の看板がしぶすぎる
最近、外国人観光客が増加傾向にあります。
国では地方創生の切り札ともいわれ、実際、多くの方々が訪日されおり、わが信濃町でも地方創生の取り組みとして、インバウンド観光事業に取り組んできたところです。

けれど、外国人をどのようにおもてなしすれば良いのかわからない、という方も多くおられるのも事実。

そこで今回、外国人おもてなし講座を開催し、外国人が多く宿泊するホテルのオーナーが感じるおもてなしについて講義いただきました。

知らないことの実践って漠然とした不安がつきもので、心理的障壁となるわけで、町や観光協会がインバウンド講座などを行ってきましたが、 本日のような視点での開催は初めてだし、きっと腑に落ちるところがあるだろうと思い参加した次第です。
よりよい野尻湖のあり方を探りたい
冒頭、博物館の近藤館長から「今日の講座からより良い野尻湖(とその地域)のあり方を探りたいと思います。」と、挨拶がありました。

今回、なぜ野尻湖ナウマンゾウ博物館がこのような「観光チック」な講座を開催したのかというと。。。
(ここからは、これまでの状況証拠からの川口の推測です)
コケの学習会の経緯と根本は重なるわけですが、野尻湖ナウマンゾウ博物館がこれからも存続していくための計画を策定したわけです。

地域と協働する野尻湖ナウマンゾウ博物館構想

〈以下、概要の引用〉
地域を代表する歴史と景観を有する野尻湖周辺地域において、ナウマンゾウ等の地域資源の活用方法を調査するとともに、それらを活かした体験プログラムを実施することにより、地域の文化資源の活用とあわせた観光振興を図る。
〈引用ここまで〉

野尻湖ナウマンゾウ博物館が持つ知識・知見等々を単なる展示物としてではなく、地域の活性化に役立てることを、今後の博物館運営の方向性として打ち出したわけでございます。

その拠点とするための施設リニューアルだし、「信濃町コケの会」のようなサークル活動支援で様々な観点から博物館をサポートしてくれる人材養成だったりするのだと、理解しています。

その一環で、やはり地域資源に昇華するためには観光との一体感の醸成は必要であるということからの今回の講座開催だと。

ちなみに、開催にあたっては、文化庁「地域博物館を中核としたクラスター形成事業」を活用しているそうです。
3年前、博物館の係長と一緒に施設整備の相談で上京。
内閣府、文部科学省と文化庁にとはしごして、各所で親身に相談に乗っていただき、こうして各種支援策(国の補助事業)の活用につながっているかと思うと、まずやってみる、がとても大切だなと改めて感じるところだし、計画策定以降、愚直に実践を続ける博物館スタッフはすごいなと率直に感じるところ。

物より心を追いかける
知識+経験=能力

そんなことを感じながら、講師のテッド・スキルマンさんの講演がスタート。
【講師の紹介】
テッド・スキルマンさん:野尻レイクリゾート代表
アメリカ人。昭和30年東京青山生まれ。
生後10か月から毎年、野尻湖国際村を訪れる。
1985年から14年間学習院で英語教師。その後、株式会社スキルマン設立。
2016年、株式会社Lee106ホールディングス(←町内企業)を設立し、野尻レイクリゾートをはじめ、長野県・栃木県を中心に様々な事業に取り組む。

と、こんな信濃町にも大変お詳しい方でございます。

大きく2つのテーマがある今回の講演会。
まずは、

・外国人からみた野尻湖の現在と未来と外国人おもてなし講座の2つが今回のテーマですが、非常に幅が広く、かつ奥深さで戸惑いました。
2P
社会の見方
物より心を追いかける
(お金よりも人をおいかける)
・知識+経験=能力
(学校教育+社会で使う)を大切にしている。
学校教育の英語は、半分以上忘れてしまうことに代表される
おおくの人々は、知識か経験のいずれかに偏り、うまくいかないことが多い

外国人からみた「おもてなし」

日本で生まれ
・外国人はいるが、日本育ちの外国人もいる
・本当に、「外国人」からみたおもてなし、をしっているわけがない
・日本に馴染んでしまっていて、それが当然だった
・それを海外の人が日本をみたときに、驚く
→それはなぜ?やさしさ、おもいやり
→海外にいって、冷たく感じた
→日本は、隣に人に挨拶したりやりとりがあった(近所つきあい)
→そこから優しさがはじまっている
・おもてなしは、どこから始めればよいのか。。。
→一番感じるのはどこか。。。
→飛行機で降り立って体を伸ばして次に考えること

◯おもてなしは、必需品から考える

◯地方は足りない
・食べ物

・寝具

・お風呂

・トイレ

1)食べ物
・生物・・・外国人は食べない。増えては来ているが野蛮人。刺し身は好き嫌いが激しいものである。
・丁寧な説明(不安に感じている)すること自体が丁寧なおもてなし

2)寝具
・日本は、家の中はくつをぬぐ→床がきれい→床で寝る
・海外は、家の中でくつのまま→床は汚いもの→床で寝るのはとんでもない
・体の大きさを考えること自体がおもてなし

3)お風呂
・石鹸であらうのか、流してから入るのか。
・日本は二分されるが矛盾していると思う。
・が、どちらを優先するのも日本ではありうる。
・それを外国人への説明をするのは難しいと思し、実際、戸惑っている。
もうひとつのお風呂問題
・大抵のお風呂の広告写真は、きれいな女性が、お風呂の中で酒を飲んでいる。
・基本は、男女別ww
・もっとも伝えたいのは、お風呂の中でお酒を飲むと思いこませていること。
・実際、とても多いが、事故や怪我につながるおそれ、脳卒中等々も懸念
・このあたりは、しっかり日本側が整理するべきこと
ex
・石鹸は流してから入って
・タオルはいれないで
絵があれば、それでよい。彼らが緊張しないでいることができる。
もうひとつ、お風呂の話題
・日本人は、大勢の人との入浴は慣れている
・外国人は、同性であっても人の前で裸になるのはとても緊張する行為。
4)トイレ
・洋式トイレ全盛だが、和式もまだある。
・洋式といえども、ウォシュレットの操作ボタンがたくさんある。
・先日も、トイレの流し方の問い合わせがあった。
・ボタンに気を取られて、反対側のハンドルに気づけなくて困惑していた。
・トイレについても配慮が必要であると考えるきっかけになった。
・世界で普及しているとはいえ、まだまだ配慮が必要
この4つは、まず必要と考えられること。
4P
言葉だけが方法ではない。~ハグや握手などのボディーランゲージで示す、伝える。
・日本をインターナショナルな国にするために考えられたことがあった
・英語をつたえればインターナショナルという風潮
・プラス要素ではあるが、コミュニケーションは成立できる。
・上越のインバウンド会の一回目、ある方からの話
・一番人気宿は、英語できない、じじ・ばばの経営
・ばばの笑顔が人気。ジェスチャー
・ボディーランゲージだけでオッケー
・それが第一歩
・ハグするだけで、人間関係はものすごく前進するものである。
・言葉でけでない。方法はすでに持っている。
・まずは笑顔。それを続けて一生懸命やれば伝わるもの。
・相手は、その姿をみて汲んでくれる。
・しかし、相手へのキスは苦手、できない。
4つのポイントとコミュニケーションが、おもてなしの土台になると考えている。
・難しくはないが、考えるべきこと。
日本のおもてなしは、世界いちである。
・日本の習慣に感激する。
5P
みんなで意識する必要がある。
さらに外国人旅行客を増やすことも意識したい。
・意識することで、相手が楽な気持ちで滞在できるす
・帰国して周りの人に話が広がる
・行ってみたいとおもう・・・・・←ここがすごく大切。
・そこで口コミが広がる
・世の中、営業合戦。大切なのは、行ってみたいという気持ちをつくる
6P
外国人旅行客が増えれば、街中の経済状況の安定につながる
7P
町のイメージを全体で考えて、統一的な企画をすることでできる。
・子供の頃は、ものすごい人がいた。歩いていてぶつかるほど。
・いまは、コンビニで人間観察するくらい、町にひとはいない。
・徐々に復活はしていると思う。
そのために何をするべきなのか。
・それはおもてなしにつながっていく。
・それは統一的なイメージが必要。
・いま、見えるもの
・釣りプネ客はみえる
・春になればトライアスロンの自転車がおおい
・ランナーは年間通じて目にする。
・統一しない限りはバラバラになる
・力が分散
・となり町(赤倉)は統一したから、客がながれる
・野尻湖は2つの側面
・観光地
・歴史的な建造物、風光を見物する場所
・均衡
・リゾート地
・整った環境でリラックスやアクティビティができる場所
7P
・だから自分達のホテルはリゾートホテルとして作っている。
・自分達は、リゾートとしてやっていて、進行形
・4季はよい。
・山、水
・きれいなどうろ
・ここまで揃っている地域は、日本のなかでも少ない
・チャンスのある町は、どこにもないと想像する
・それをできていないことは、とても損をしていると感じる。
8P
・カヤックやったり、湖畔でキャンプやったり
・テラスで過ごせる場所
・苗名滝(ハイキング、水遊び)
・山程素敵なところはある
・少しずつ有名になっているけど、もっと統一的なイメージを
9P
・ホテル経営は3年め
・1年めは自分ですべてやった
・2年めはスティーブが来てくれた
・3年めなかば、順調に育っている。600%。
・すごく儲かっているわけではないが、生きていけるラインまではきている
・そこまでもってきて、若い人に引き継ぎたい
・実際、若い人は戻ってきている(5人)
10P
良いリゾートの特徴
・お金をかけられればよいが、少しずつでも可能
きれいを心がければ、それは伝わる
・町の予算もあるが、きれいにすることは可能だと思う

条件
・自然環境、風景と調和している
・町全体で取り組んでいるからできること。
・景観の統一、町のレイアウト、環境への配慮
・宿、道路脇の雑草が生い茂る。
・県、町へ問い合わせ。責任のなすりあい。
・10か月たって、やってくれた。
12P
リゾートというアイデアで、野尻湖を活性化して、この土地に貢献したい。
・この町は、昔のような賑わいをまた必ず取り戻せると思う。
・STAFF全員の共通認識
13P
・野尻湖の発掘は、町の宝だと思う。
・素晴らしいアクティビティ
・このイメージをもっともっと作るべき
・小さなリニューアルだったが、とても意味がある場所に博物館はなった
・体験コーナーは、経験と知識を具現化している。
・全国に発信できるはず。
・全国のインターナショナルスクールに売り込み・アピールすれば良い
・日帰りではもったいないから、宿泊してもらえば良い。
・冬のスキーとあわせて、可能性はある。
・教育面でアピールできることになると思う
14P
◯物より心を追いかける
・お金を追いかけるとそれまでで終わる
◯知識+経験=能力
QA
信濃町はどこに向かっていくのかがわからない
リゾートの捉え方はどんなものか。ーーーー
リゾートの範囲は、狭くても良いのでは
作り方とイメージ次第ではないか。
町全体となるとイメージしにくいが、狭い範囲ならばありうる。
町は観光地。
海外と日本の観光地は異なる。
日本は、物見遊山、西洋人はやらない
西洋人は、アクティビティが必要。日本人と西洋人は、動き方が違う。
アクティビティがしってうごくほうがリゾートなのかなという感じ。
各地にキーポイント(統一した)があれば、全体のイメージが掴めると思う。

やらないといけなこと。
・収入かはいりやすいところは、メインテーマ、重点区域
・それは、スキー場と湖だと思っている。
・そこからスターとした
・農家でもアクティビティになりうるところもあるかもしれない。そういうお客さんもいる。ニーズは少ないが感動はあると思う。
・トウモロコシが自生している様子だけでもアメージング。都会のイメージは、かなり固定している。

LAMPがあって変化がでている
・LAMPに感謝しないといけない。交流人口は増えているのは間違えない。
・自分達も磨いていかないといけない。やり方を全面的に支持しているわけではない。
・外国人のプライベート志向に対応できない宿だと思う。
・人が来ているから、多様性のある受入地の体制を組むべきで、そのための話し合いが必要。
・激しいものになるが、それがスタートになると思う。
・LAMPはものすごいエネルギーでやっているが、限界はいずれくると思う
・その前に、話し合って、頑張っていきたい。
・それが出来ないままでいると、LAMPが下火になったときに、つらい町になると思う。
町のなかには優秀な考えを持つ人がたくさんいると思う
・国際村に下水道が入り始めている。
・夏場だけでなく、通年で週末などに来始めている。
・国際村の人間も生活様式が変化している。
・大学村やグリーンタウンも変化しているのではないか。
・そういう変化を掴んでいこうとすることも大切ではないか。

2019年9月24日火曜日

来てるの?!どうなの? コケの学習会

コケの学習会、シブい

平成27年6月に野尻湖ナウマンゾウ博物館構想策定委員会が設置され、今後、野尻湖ナウマンゾウ博物館や周辺地域の活性化に資する構想として「地域と協働する野尻湖ナウマンゾウ博物館構想」が平成28年に策定されました。
その取り組みの一つである施設改修について、地方創生拠点整備交付金を活用して行ったのが平成30年3月のことでした。
そんな野尻湖ナウマンゾウ博物館には、あるテーマについて信濃町をフィールドにした学習や調査研究を目的とするサークル活動を支援する「博物館サークル」制度なるものがございます。
登録サークルの一つである「信濃町コケの会」の皆さんが講師となり、「コケの学習会」が9月22日(日曜日)に開催され参加してまいりました。

コケの会の皆さんに、いろいろと説明いただきましたが、記憶が飛びまくっているので、写真と印象的な解説のみで構成したいと思います。

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開会式。ちびっこから高齢(たぶん)の方まで大勢が参加していくことから、来ているのかも、コケブーム

学習会の会場は、旧古間小学校(木造のやつ)裏庭は湿気たっぷり。たくさんのコケが繁殖しております。

なんでも、コケの世界は奥深い割に研究者が少なくわからないことが多いそうです。
すごくよく見かけるこのコケも名前が不明とのこと(汗)

古間グラウンドのテニスコート脇に盛大に繁殖しているスナゴケ。数少ない日向もオッケーな種類。一見、しおれているように見えても、霧吹きで水をかけると、一瞬でご覧のとおり青々とした感じに。単細胞なので、すぐに水分に反応するそうです。

乾燥してくると白くなることから、付いた名前は「ギンゴケ」。総合体育館北側の日陰のコンクリートに繁殖しています。
ご説明くださったコケの会会長さんのご自宅はまさにこけ庭。様々なコケを移植されているそうですが、ちょっとした環境の違いで、定着の成否が決まるそうで、とても難しいとも。



杉の葉っぽい感じから「スギゴケ」。いいですねぇ、こういうの。コケを愛でるって感覚は、世界共通なんでしょうかね??

コケ庭を含め、いろんな庭をみることは、なんつうか、美的感覚がみが
会場を古間地域交流施設に移して、お待ちかねコケテラリウムづくり。会場には様々なコケが展示されていました。おもしれ。



コケもそうですが、いろんな種類があって、名前や特徴が異なっていて。そういうことを知っていくことは、物事に対する視野が広がっていくと感じました。

コケテラリウムづくりに熱中しすぎて、製作中の写真なし。これは川口作のコケテラリウム処女作。満足の行く出来かと。。